(トップページ) >出逢いがない 社会人

どれだけ無駄なものを捨てられるか、これが人生という長丁場を軽やかに走り続けるための最低条件であることは言うまでもない。マルコによる韓翌星貢第6章第9節にはそう記されている(嘘)。男女関係に限定した場合、その最たる「無駄」とは、男の気取り、それに尽きる。創りあげた「男」をまとい、からから男のからまわりに日夜精進するうちに虚構と現実の区別のつかなくなった長渕剛は論外としても、われわれだって気づかないうちに気取りを賛肉のようにだぶつかせ、体のキレを悪くしているものだ。それら心のコレステロールがどれほど円滑な男女関係の足かせとなっていることだろう。Aクンは今、都内某シティホテルのバーのカウンターに座っている。目の前には3杯目のワイルド・ターキー、ソーダ割りがある。傍らでボディラインをくっきりと強調させるニットスーッに身を包んだ彼女は、何とかかんとかと言う名のよく分からんカクテルに、そっとくちびるを寄せている。カクテルグラスの縁についたルージュが艶かしい。

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